2005/06/15 (水)

おやじの意地・・・−2−

「いや〜〜 ほんとうに イヤですね・・・戦争は。子供心にもどんなに切なかったか・・・」
少年の澄んだクルッとした瞳を そのまま持ち続けていらっしゃる ちばてつや先生の 開口一番でした。

・・・おやじの故郷の千葉の田舎に引き揚げて来たのが 昭和21年。僕は6歳。 僕を頭に4人の子供を全員連れて帰ってくれました。幸せな事に両親揃っていてね。
懐かしいふるさとに着いたのに おやじは 夜になるまで 実家に帰らないんですよ。”どうして早く帰らないの!?”なんておふくろと 何やら言い争っていたのを 子供心に覚えていますよ。

乞食同然のヨレヨレ姿 半死人のような子供たち〜〜こんな格好を 村の人たちに見せたくなかったんでしょうね、おやじの意地だったのかな〜〜〜今の僕には理解できますがね。あの時は泣きたかった。 お腹はすくし 歩き始めたらもう半居眠り状態。

おばあさんが驚いて迎えてくれてね・・・喜んでご飯を炊いて。
旨かった、本当に白いご飯が・・・最高でした。

〜〜〜60年の歳月は一気に「ちば少年」へと連れ戻しました。
淡々と語り始められるだけに 私たちの心に沁みた事はいうまでもありません。
(写真は ちば先生宅の表札 門扉が珍しかったのですが・・)




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