2010/12/12 (日)

忘れじのピアノ (6)

佐賀県鳥栖市へ向かいます。あの特攻隊員が『死ぬ前に、飛び立つ前に1度だけ思いっきりピアノを弾かせてください』と懇願した”ドイツ製のフッパーのピアノ”との再会です。

当時のままきちんと保存され手入れが行き届いていました。私は取材の為 数回このサンメッセ鳥栖を訪れていたのです。

何時の日かピアニスト中島さんをここへ連れてくるのがたっての願いでした。公演の合間この時間が取れたことは最高の喜びでした。

感慨深気にピアノへ近づいた中島さんは静かに「月光」の演奏にはいりました。私の知人母娘のほか、たまたま見学に見えた方も思わす座り込んで聴いていました。サンメッセ事務室の方も「素晴らしいですね」と聞き惚れていらっしゃいました。

「このピアノには思い出があるとです。忘れてはならない思い出が・・・」こう叫び保存活動に必死だった故上野歌子先生がどこかで聴いていらっしゃる〜〜〜そう思うと胸がきりきり痛むのでした。ピアニストの目にも涙が・・・。
写真:(特攻隊員が実際弾いたピアノで演奏中〜〜)


 


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